辻 雄太
「デジタルサイネージを用いた異文化理解を促す情報提示方法」

 
 近年,日本では情報通信技術による観光支援を推進しており,デジタルサイネージ(電子ディスプレイ)の活用を挙げている.しかし,どのように発信すれば効果的か明確な指針があるわけではなく,また,外国人観光客に情報提供する場合を想定した研究はあまり行われていない.そこで本研究は,デジタルサイネージを用いて外国人観光客に対して,日本の文化に関する情報を提供して異文化理解を促すことを考え,効果的な情報提示方法について研究することを目的とした.本研究では,効果的な情報提示方法の要件として,興味を引くこと,記憶に残ることの2つを挙げ,4コマ漫画による情報提示を提案し,評価実験を行った.実験では,4コマ漫画,写真,イラスト,動画の4種類の情報提示方法を実験参加者の主観によって比較した.それぞれの情報提示方法によって,日本の食文化を紹介するコンテンツを作成し,外国人の実験参加者に提示した.興味を引くかどうか,そして記憶に残るかどうかの観点から,アンケートや記憶テストを実施した.実験の結果,提案方法が最も効果的な情報提示方法であることを確かめることはできなかったが,伝えたい情報や状況に応じて適した情報提示方法の指針を立てた.

論文はこちら→ Tsuji.pdf