徳丸　博紀
「線分特徴を用いた絞り込み処理によるリローカリゼーション手法の開発」

　
　原子力発電プラントの保守・解体作業を支援するために拡張現実感(Augmented Reality : AR)技術を用いる研究がなされている。ARを実現するためには、カメラの位置・姿勢をリアルタイムで計測するトラッキングと呼ばれる技術が必要である。マーカレスで安定したトラッキングを実現するためには、現在のカメラ画像のみを用いてカメラの位置・姿勢を計測するリローカリゼーションと呼ばれる手法が必要である。本研究では、線分特徴を利用した絞り込み処理によるリローカリゼーション手法の開発と評価を目的とする。リローカリゼーションの安定性や速度を向上させることができれば、原子力発電プラント内部でARを利用した作業の効率化が期待できる。
　提案手法では、現在の入力画像と類似した画像の候補を絞り込む際に、計算負荷の小さい処理から順番に実行し候補を段階的に絞り込み、最後まで残った画像を対象に計算負荷は高いが精度が高い処理を実行することで、類似画像の最終候補を1枚選出し、この画像と組になっていたカメラの位置・姿勢を現在のカメラの位置・姿勢としてトラッキングの再開を試みる。提案手法では、処理時間が短く、精度の高いリローカリゼーションが実現できた。

論文はこちら→ tokumaru.pdf