関山 友輝
「原子力発電プラントの現場作業支援のための拡張現実感用トラッキング手法の開発と評価」

   拡張現実感技術の実現に際しては、重畳情報を正確な位置・方向に表示させるために、ユーザと情報提示対象物との位置・姿勢関係を求めるトラッキング技術が必要不可欠である。しかし、拡張現実感を原子力発電プラント内での現場作業支援に用いる際には、非常に広範囲でのトラッキングを高精度に行う必要がある。
 そこで本研究では、昨年度開発されたバーコードマーカを用いたトラッキング手法に対して、
 (1)3台のカメラを角度をつけて並べたマルチカメラユニットを用い、より視野の広い画像を得ることで、貼付する必要のあるバーコードマーカの数を低減する
 (2)P4P問題の解法を利用したトラッキング手法によって、同一平面内にある平行なバーコードマーカを利用する
 (3)ジャイロセンサを併用したハイブリッドトラッキングを導入し、バーコードマーカが2つ以上認識できなくなった場合にもトラッキングを継続できるようにする
といった改良を行った。そして評価実験により、プラント内において作業指示を重畳表示するのに十分と思われる精度でトラッキングが行えることを確認した。

論文はこちら→ sekiyama.pdf