Abstract


 原子力発電ではトラブル発生のたびに社会的に大きく取り上げられ、安全性・信頼性の向上・情報公開の推進による社会の安全と安心の一層の確保が求められている。また進展する電力自由化や電力需要鈍化も背景に既設プラントの運用向上から「保全・リニューアル技術の革新」が求められている。  東芝、日立製作所、三菱重工業、三菱電機の4社は、原子力発電支援システム開発組合を結成し、2000年度から5ヶ年、このような要請に応える新たな保全技術の研究開発プロジェクトとして、「原子力発電プラント・フレキシブルメンテナンスシステム(FMS)」の開発を経済産業省補助事業として進め、予期以上の成果を挙げて2005年3月末に終了した。筆者はFMSプロジェクト推進を評価検討する原子力発電支援システム開発調査委員会委員長として関わった立場から、FMSプロジェクトの経緯とその概要を紹介し、今後への期待を述べる。

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