Abstract


青色光は人間の網膜上にある光受容体の一つであるメラノプシン細胞を刺激し、人間を覚醒の方向へ導くことが知られている。 人間の覚醒が知的集中の向上につながると考え、青色光を曝露することにより知的集中が向上するという仮説を立てた。 しかし、青色光のまぶしさが原因でかえって知的作業を阻害することが懸念される。 そこで、まぶしさに起因する指標である輝度に着目した。 青色光曝露による覚醒向上効果を変化させずに輝度を小さくするために、光の強度を下げつつも発光面積を大きくすることで、光量を一定に保ちながらも輝度を小さくし、まぶしさを低減させられることが予想できる。 そこで本研究では、目に入る青色光の量を変化させずに青色光の輝度を変化させたときの、まぶしいと感じる条件を見つけ出すことを目的とする実験を行った。 いずれの条件も目に入る光量が同じになるように出力を調整し、青色光源の面積及び強度が異なる4種類の条件(光源がそれぞれ1個、2個、4個、8個)を設定した。これらの4条件でまぶしさに関する主観評価を行ってもらう被験者実験を行った。 実験から、2個の条件が知的作業をする上で最も作業を阻害されにくいという結果が得られた。 また、1個の条件は片側から強い光がくることによる非対称性から意識がとられることが知的作業を阻害し、そして4個及び8個の条件は光源面積が大きく光量が多いと感じてしまったことによるまぶしさが知的作業を阻害したという結果が得られた。

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