Abstract


これまで提案されてきた知的生産性の計測手法は,認知タスクの作業成績の分析が主流である一方,認知負荷を反映する生理指標を用いた手法も,知的生産性の定量評価手法として期待されている. 本研究では,生理反応を利用した知的生産性の定量的かつ客観的な評価手法の開発に向け,生理指標データから知的作業時の作業成績を推定する手法を検討した.推定に用いる生理指標には,人の認知状態を反映するとされ,かつ非接触の計測手法が近年開発されている心拍変動と瞳孔径を用いた. また,推定手法として機械学習であるSupport Vector Regression(SVR)およびRandom Forestsを利用し,両者の推定精度を比較した.認知タスクを用いた被験者実験を実施したところ,SVRで導出した回帰モデルにおいて,全実験参加者の作業成績推定結果の平均決定係数が$R^2=0.875$ (標準偏差0.097)と,高い推定精度を示し,SVRを用いた場合の本手法の有効性が確認でき,複数の生理指標を利用する本推定手法の有効性が確認された.

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