田村 太一
「実世界指向プログラミングを用いたAR訓練環境構築システムの開発」

 
 重要施設における安全性のソフト面の対策として現場で実施されている防災訓練には、体験できる訓練が限られるなどの問題点があるため、簡便に現場で体験できるAR訓練が注目されている。しかし、AR訓練環境の構築を専門企業に外注する場合、訓練の種類が限られてしまう、現場を見ながらAR訓練環境を構築できないなどの問題がある。そのため、現場の人がAR訓練環境を構築することが求められるが、現状、高度なプログラミングのスキルが必要であること、現場で扱えないことが問題となっている。
 そこで、プログラミングの高度なスキルを持っていない人でも容易に、現場を見ながらAR訓練環境を構築できるシステム、AR訓練環境構築システム(ARTM)を開発した。容易に理解および操作でき、かつ現場で扱えるように、新しい実世界指向のプログラミング言語、「プログラムブロック」を開発した。プログラムブロックの形状は、ユーザが直観的に理解できるように設計した。
 本研究では、重要施設の職員にARTMを使用してもらい、ARTMの容易さとARTMで作成できる訓練の自由度を評価した。評価の結果、従来のAR訓練環境の構築方法に比べると、構築が容易にかつ短時間で可能になることが分かった。

論文はこちら→ Tamura.pdf