Yongxin Wang
「A Proposal and Evaluation of Presentation Methods on AR-based Support System for Decommissioning of Nuclear Power Plants」

 
 拡張現実感(AR)を用いて原子力プラントの解体作業を支援するシステムが開発されてきた。コンピュータで生成されたCGが重畳表示され、解体作業の安全性と効率の向上が期待できる。これらのシステムでは、原子力プラントのような複雑な環境で、解体対象物と周辺環境との間の距離と位置関係を提示する必要がある。しかし、両者の間が直接に見えないオクルージョン問題が存在しており、既存の手法ではこの問題を解決する対策があまり講じられていない。
 本研究では、どのような提示手法が容易かつ正確に距離と位置関係を提示できるかを実験的に模索する。直線提示法、グリッドモデル法と強制移動法を提案し、被験者実験で比較し、各手法に一番良いパラメータパターンを見つけた。見つけたパラメータパターンを用いてさらに被験者実験を実施し、最も良い情報提示手法を見つけた。被験者実験ではアンケートを用いて、主観評価と距離認識誤差評価を行った。結果として、強制移動法が総合的に一番良い手法であることが分かった。直線提示法が主観評価で強制移動法と同じ高評価が得られた。解体対象物に隠れている部分を見える化にすることで、オクルージョン問題を減少できることが分かった。

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