井上 弘輝
「環境配慮行動促進のためのオンラインコミュニティの活性化・継続手法」

 
 近年では情報通信技術の発達によって、オンラインコミュニティ上で人々が容易にコミュニケーションを取ることができるようになったため、環境配慮行動促進のためにオンラインコミュニティが利用されるようになってきた。環境配慮行動は継続して行うことは有効であるため、このようなオンラインコミュニティを継続させることは大変重要である。しかし、従来から用いられている経済学や行動経済学に基づいた人々の外在的なモチベーションに働きかける手法では人々の行動を継続させることは難しい。そこで本研究では、承諾誘導理論に基づいたオンラインコミュニティの活性化・継続手法を提案し、評価実験を行った。具体的には、「フォトフレーム型デバイスによるプッシュ通知」、「誘発者の導入」、「投票イベントの実施」の3つの手法を、14名が参加する電子掲示板に導入し、156日間運用した。その結果、参加者の環境配慮行動の頻度が有意に向上し、参加者による電子掲示板上の閲覧操作や投稿も実験終了時まで継続した。特に提案手法の中でも、誘発者の導入による効果が大きく見られ、誘発者の交代に伴う閲覧操作回数や投稿回数の増加を確認した。

論文はこちら→ inoue.pdf