顧 穎成
「自然特徴点を用いた広域トラッキングのための環境モデルの更新手法」

 
本研究では、原子力発電プラントの解体作業を拡張現実感を用いて支援する際に必要となるトラッキング技術のうち、運用の手間やコストの面で最も有望であると考えられる自然特徴点を用いたトラッキング手法に着目し、広域かつ変化する環境でも安定して長時間利用できる手法を実現することを目的とした。従来の広域環境を対象とした自然特徴点を用いたトラッキング手法では、機器の解体などにより環境が変化しても、トラッキングに必要な自然特徴点情報を迅速には更新できず、トラッキングを継続できないという問題があった。本研究では、トラッキングを実行すると同時に、自然特徴点の分布情況を分析することで環境の変化を認識し、環境が変化したと認識された際には、新たに自然特徴点を計測し、計測結果をもとに既存の自然特徴点情報を自動的に更新する手法を実現した。また、原子炉廃止措置研究開発センター内において、模擬的に変化する環境でトラッキングを実行する実験を行い、提案手法を用いることにより、環境の変化を適切に認識できること、また、環境が変化した際には自然特徴点情報を適切に更新し、トラッキングを継続できることを確認した。

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