岡村 智明
「携帯情報端末を用いた環境配慮行動の足跡コミュニケーション場の提案と評価」

 
 地球環境問題に対処するために、省エネルギー活動などの環境に優しい行動、いわゆる環境配慮行動(Pro-Environmental Behavior; PEB)の促進が求められている。しかし、PEBは単発的に実行するだけでなく、それを継続することが重要である。
 本研究では、PEBを促進・持続させるために、ゆるくつながったコミュニティ「PEB 足跡コミュニケーション場」を提案し、ゆるいつながりを実現するための情報システム「PEB 足跡コミュニケーション場システム」を実現した。本システムでは、住居内に設置した数個のBluetooth ステーションを用いて携帯情報端末を持ったユーザの位置を特定し、それをもとに携帯情報端末から適切なPEB を推薦する。さらに、ユーザがそのPEB を実行した場合、そのことを「足跡」として情報ネットワーク上のPEB 足跡コミュニケーション場に送信でき、携帯情報端末の画面上には、ユーザのいる場所で他のユーザが行ったPEBが表示される。
 実際に、本システムを実験協力者に使用してもらった結果、PEB が促進・持続された実験協力者のほとんどが、他のユーザが同じような場所で同じようなPEBを実行していたと感じていた。また、システムを継続して使い続けられた理由を尋ねたところ、「強制感・ストレスの無いコミュニケーション」に関する理由を挙げていた実験協力者が複数名いた。

論文はこちら→ okamura.pdf