金 宏哲
「オフィス照明が知的生産性に与える影響の数理モデル化に関する研究」

 
 当研究室では、オフィスワーカの作業中に発生する短い休憩が知的生産性を左右することに着目して、作業−非作業の2状態を確率的に遷移する知的生産性変動の数理モデルを提案してきた。しかし、このモデルにより被験者のモチベーションと心的負担を制御した被験者実験の結果の多くをモデルパラメータの変化として説明できた一方で、長時間にわたる休憩の説明が困難であり、さらに、照明や空調などのオフィス環境が知的生産性に与える影響までは考慮されていなかった。
 本研究では、これらを踏まえ、昨年度のモデルを基盤として知的生産性の変化を説明する新数理モデルを作成することを目指した。まず昨年度に実施された被験者実験とモデルを詳細に分析した結果からそれらの課題を抽出し、これらの課題を解決する新数理モデルを提案した。また、昨年度に実施した実験の結果をもとに、提案した新数理モデルを昨年度のモデルと比較し、その優位性を示した。

論文はこちら→ hongzhej.pdf