青山　周平
「拡張現実感を用いた仮置・運搬作業シミュレーションシステムの開発」

　
　原子力発電プラントは放射性物質を取り扱うことから、十分に安全への対策を講じた上で解体される必要がある。原子力発電プラント内には機器や配管が多数存在し、狭隘な場所が多いといった特徴があるため、ふげんでは解体工程で発生する機器同士の干渉を3DCADデータと仮想現実感(VR, Virtual Reality)を用いたシステムにより評価している。しかし、評価に用いる3DCADデータは実際の現場の状況とは異なる場合が多いため、正確な評価が難しい。また、プラントは複雑な環境であるため、VRで示された接触箇所の現実空間への対応づけが難しい。そこで、本研究ではレーザレンジファインダを用いた3次元形状計測および拡張現実感技術(AR, Augmented Reality)を利用し解体機器の干渉を評価するシステムを開発した。これにより、現状を正しく反映したモデルで干渉を評価でき、接触箇所は現実の映像に重畳表示し示せるため、作業状況を直観的に理解できる。また、開発したシステムを実際の解体作業現場においてふげんの職員らに使用してもらい、アンケートおよびインタビューによりシステムの作業現場での有用性および受容性を評価した。

論文はこちら→ aoyama.pdf