宇田 旭伸
「HLW処分のリスクコミュニケーションのためのウェブシステムの構築と実験評価」

   原子力発電の結果生じる高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分をめぐっては、国民の処分問題に関する知識が不足しているのに加え、候補地が決まっていないのが現状であり、原子力事業の永続的な運営のためには正しい情報の伝達とともに、リスクコミュニケーションの必要性が高まっている。
 本研究では、共感を元にした感情説得型とロジックを元にした説明説得型を融合させたアフェクティブコミュニケーションにより一般市民がHLW処分事業に興味・関心を抱き、処分事業を受諾しその事業に協力行動を起こすように態度の変容を促す、HLW処分事業への納得を促進するウェブシステムを構築した。これは表情豊かな2体のキャラクタがデータや事例を元にHLW処分事業に納得していく対話型コンテンツと専門家の発言するBBSから構成される。
 このウェブシステムを用いた評価実験と公開実験の結果、興味・関心を高めるためにはデータや事例の充実が有効であり、受諾や協力行動を起こさせるためにはキャラクタに表情付加することが有効であることが分かった。また、BBSで発言する専門家は、論理的な回答が求められていることが分かった。

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