服部 貴司
「Eye-Sensing Displayを用いた脳機能障害のスクリーニング検査システムの構築と評価実験」

   昨年度までに、本研究室ではES-HMDを用いた脳機能障害のスクリーニング検査システムを開発し、実際に若年健常者20名を対象とした評価実験を行った。その評価実験から、
(1)画像キャプチャ時間精度、視標提示の時間精度が低く、両カメラ間の同期がとれていない
(2)両カメラ間の距離が調整できないため被験者によってはカメラ撮像範囲から瞳孔がはみ出る
(3)瞳孔部分を取得する際にまつげやまぶたの影響を受けやすい
(4)検査で得られたデータをグラフ化するのに手間がかかる
等の検討課題が抽出された。
 本研究では上述の検討課題を多目的用途向けのES-HMDで解決するのは困難と考え、脳機能障害のスクリーニング検査に特化した新規なシステムであるEye-Sensing Displayを開発し、各精度評価実験や若年、高齢健常者を対象とした評価実験を含む性能評価実験を行った。その結果、様々な機能を付加したことによりシステムの実用性、さらに各時間精度も大幅に向上したことが示された。

論文はこちら→ hattori.pdf