伊藤 京子
「アフェクティブインタフェースのための表情・音声合成による感情伝達手法に関する基礎研究」

  本研究では、人間と機械の接点となるインタフェースに感情の要素を組み込んだアフェクティブインタフェースの実現に向けて、コンピュータから人間に伝えたい感情を効果的に伝達する可能性とそのあり方を検討することを目的とした。
具体的には、(1)感情を表出・伝達する擬人化インタフェースシステムを試作し、(2)感情伝達の被験者実験を行い、その結果を分析し、今後の課題を導出することとした。
感情伝達の被験者実験のために、物語を合成音声で朗読しながら、それに合わせた合成顔表情を提示する物語朗読システムを試作した。
試作したシステムは、(1)感情推定サブシステム、および(2)感情表出サブシステムより構成される。
試作した物語朗読システムを用いて行った被験者実験から、コンピュータを用いた感情伝達の困難さ・問題点が導出され、基本6感情の伝達度が高いことがわかった。 また、コンピュータの操作に対して不安がある人は、試作したシステムに対する評価が低いことがわかった。
以上の実験より、コンピュータから人間に効果的に感情を伝達し、親しみやすさを実現するためには、表情表出方法の検討や親しみやすい顔画像を作成することが重要であると考えられる。



論文はこちら→ k-ito.pdf


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