市口 誠道
「アフォーダンスの概念に基づく人体モーション合成システムの開発」

 本研究では、仮想空間内の人体モデルとオブジェクトとの自由なインタラクションが合成可能であるとともに、人体モデルの新たな動作を合成することが可能な人体モーション合成システムの開発を目的とし、研究を進めた。仮想空間内で人体モーションを合成することは、実世界での人々の振舞いをコンピュータ上で再現することになるので、人の実世界での振舞いを取扱う認知科学から有用なヒントが得られる。

 そこで本研究では、目的とするシステムを開発するために、認知科学の概念の一つであり、我々が深く考えることもなく環境の変化や未知の環境に無意識に適応していることをよく説明している、「アフォーダンス」を人体モーション合成に適用した。

 そして、実際にアフォーダンスの概念を適用した人体モーション合成システムであるAHMSS(Affordance-based Human Motion Synthesizing System)を開発し、その使用事例としてアニメーションを作製し、人体モデルと仮想空間内のオブジェクトとのインタラクションが合成可能であることを実証した。また、開発したシステムの評価実験を行い、本システムにより自然な動作を合成できることを確認した。



論文はこちら→ itiguti.pdf


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